■『シチズン・リテラシー』のページ | ||
ここは、2005年3月 教育出版より発売されました『シチズン・リテラシー』のサポートページです。ページの都合で、紙面に載せられなかったものや最新情報などをお届けいたします。 |
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■『シチズン・リテラシー』ってなあに? | ||
シチズン・リテラシーとは、市民が社会に参画するために要求される知識やスキルのことです。これは、社会の成り立ちや制度に関する知識、社会の構成員としての責任を果たし、自ら行動するための能力・要素を指します。 | ||
本書は、その入門書として企画されました。市民として必要な素養を単に受動的に学ぶだけではなく、具体的な活動や行動を通して、実践的に学べるように構成しています。 | ||
たとえば、「『親愛なるOO議員』で始まる手紙を、議員に出すことから始まり、「議員に対する公開質問会」を催したり、「マニフェスト」を作成し「模擬選挙」活動をしたり、「模擬国会」「模擬裁判」を開催します。 このようにして、これまでの公民学習が、民主主義の手続き、法、社会組織の構造などを単に知識として「静」的に学習させてきたのに対して、具体的問題を傍観せず、積極的に解決しようとすることの大切さを理解させ、実際的な活動経験へと繋げるという、いわば「動」的な学習になることを目指しています。 |
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イギリスでは、2002年9月から11〜16歳の中等教育でシチズンシップ教育がナショナルカリキュラムで必修化され注目されています。我が国でも、市民の社会参画の手法(シチズンリテラシー)の学習は、若年層はじめ市民の社会的無力感の低減効果があると思われます。 |
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■編集委員・執筆者 | ||
鈴木崇弘(すずき たかひろ/大坂大学特任教授) 上野真城子(うえの まきこ/大坂大学特任教授) 風巻浩(かざまき ひろし/神奈川県立麻生高等学校教員、開発教育協会理事) 成田喜一郎(なりた きいちろう/東京学芸大学附属大泉中学校副校長) 中林美恵子(なかばやし みえこ/ニュースキャスター) 村尾信尚(むらお のぶたか/関西学院大学教授) 福岡政行(ふくおか まさゆき/白鴎大学教授、立命館大学客員教授) 川北秀人(かわきた ひでと/IIHOE代表者) 細野助博(ほその すけひろ/中央大学評議員、教授) 島広樹(しま ひろき/大坂大学特任教員) 著 |
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■執筆者 | ||
油木清明(あぶらき きよあき/日本経団連政治グループ副長) 大久保正弘(おおくぼ まさひろ/シティズンシップ教育推進ネット代表) 高乗秀明(たかのり ひであき/京都教育大学附属教育実践総合センター助教授) 所夏目(ところ なつめ/三鷹市立第四小学校教諭) 北郷美由紀(ほくごう みゆき/朝日新聞企画報道部) 東恭弘(ひがし やすひろ/福岡政行事務所) 原啓一郎(はら けいいちろう/札幌地方裁判所部総括判事) 和栗百恵(わぐり ももえ/中央大学総合政策学部特任講師) 打越紀子(うちこし のりこ/元埼玉県北足立郡吹上町議会議員、東京新聞女性レポーター) |
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■カバー作品 | ||
造形作品:服部みどり 写真:佐藤隆俊 装丁:細川美穂子 |
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■書籍データ | ||
A5判/216頁 ISBN: 4316801066 定価:1,995円(本体1,900円+税) 2005年3月発行 教育出版 |
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■主な読者対象 社会や政治をよりよくしたいと思う方ならどなたでも楽しめます。 | ||
短大・大学での社会科学系の講座、中学・高校での総合学習、市民団体やNPO主宰の勉強会や公開講座等でのテキストとして使用できます。著者陣はすべて、シンクタンク・大学・マスコミ・NPO・学校など、現場で活躍している先生方ばかりです。そこでも活かされるように、現場のニーズにも即したつくりになっています。 | ||
■目次 | ||
1.日本におけるパブリックを考えよう |
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2.日本人にとっての市民と民主主義を考えよう 2−1 日本人にとっての市民と民主主義を考えよう ・誇り高き「一市民」として ・アメリカの大統領選挙 ・政策と市民 ・市民と選挙権 ・大統領選挙と市民教育 ・デモクラシーの教育 ・愛国者としての市民 ・市民による市民教育(ノンプロフィット・セクター) ・アメリカン・デモクラシーの度合い ・日本の可能性(21世紀の世界に貢献する市民として) |
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3.世界、国、社会について理解を深めよう 3−1 世界、国、コミュニティとその成り立ち (1)多文化・多民族市民、地球市民から社会について考える (2)ケータイを通じた経済から社会について考える (3)お金と政治から社会について考える Action1 「100人村」のワークショップ Action2 「ちがいのちがい」のワークショップ Action3 様々な問題を「地図化」してみよう 3−2 社会のビジョン(理念)の共有と、制度について ・憲法・立法・行政・政府・司法の役割についての理解 ・法制度に関する理解 ・その他の分野における社会のビジョンの共有 ・情報公開の重要性 Action4 まちを歩いて「夢マップ」をつくろう Action5 模擬裁判をやってみよう 3−3 社会に参画するアクターについて理解を深めよう ・私たちの生活を支える様々なアクター ・社会の合意形成と多元主義 Action6 地域住民(NPO法人)による学校教育への参加事例 Action7 政治家や政党の活動を調べてみよう Action8 新聞社に意見を送ってみよう/自分で取材してみよう |
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4.私、市民、共同体との間で「つながり」を考えよう 4−1 税金から考えよう(経済や財政システム) ・政府が組織される理由 ・納税の義務(なぜ私たちは税金を納めるのか?) ・税政の現状と課題 ・税金のしくみ Column(現場の声)1 税に関わる人々 4−2 選挙から考えよう(政治システム) ・投票へ行こう−選挙って何だ!− ・投票率(あなたの大切な一票) ・”代議士は、国民の代表である” ・政策・人物・政党 ・マニフェスト(政権公約) ・テレビ政治の課題 ・政治家のリクルートメント ・定数削減 ・多選禁止−長いものに巻かれろの政治風土− ・一票の重さと軽さ(格差) ・日本型政治風土−利益誘導− ・”一票での政治浄化”−尾崎行雄の政治理念− ・パフォーマンスより政策、政策より結果 ・有権者は納税者 ・政治家のレベルは、有権者のレベルの反映である Column(現場の声)2 選挙に関わる人々 4−3 裁判員制度から考えよう(司法システム) ・裁判について考えてみよう ・日本と外国の司法制度の違い ・裁判員制度の導入 ・裁判員制度のしくみ ・名簿登載の通知がきたら ・裁判員候補者として裁判所に呼ばれたら ・あなたが裁判員になったら ・裁判員制度への期待と課題 Column(現場の声)3 裁判員制度の実施へ向けての工夫 4−4 NPO/NGOから考えよう(社会システム) ・社会への参加は、市民の責任と権利 ・個人としてのボランティアから継続的な組織としてのNPOへ ・自発性、柔軟性は高いが、財政的には不安定なNPO ・市民が市民を信頼し、ともに行動する社会へ Column(現場の声)4 NPOに関わる人々 4−5 コミュニティと国際機関から考えよう (1)コミュニティから社会を考える ・グローバルな時代での国の影響力の低下 ・悩みを抱える地方自治体 ・都市化で切断された「つながり」 ・地域コミュニティとは何か? ・コミュニティを活性化しよう ・パートナーシップのネットワーキング (2)国際的・グローバルなシステム ・「グローバル化」と私たち ・地球益を達成するためのグローバルなシステム ・ローカル、ナショナル、グローバルな存在としての市民 Column1 産官学連携を通じてのコミュニティの可能性 Column(現場の声)5 NGOや国際機関で活動する人々 |
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5.自ら考え、発言・行動を起こそう 5−1 自ら考えよう ・意見をもつことと考えること ・論理的に考えること ・コミュニケーションの素養 ・調査する能力 ・法律を読む力 ・社会調査に対する感覚を磨くこと ・メディアの視点 ・権力者や既得権保持者の視点 ・公益性を増進する発想 5−2 行動を起こそう ・行動を起こす前に、まずは「調べる」ことから ・これまでの制度を活用して、議会や行政などを動かそう ・新しいしくみとして、自分たちで起業しよう Action9 視点をかえて模擬裁判をしてみよう Action10 納めている税金はいくら? Action11 議会と行政と税金について考える Action12 裁判ウォッチングに行こう Action13 情報公開制度を利用してみよう Column2 市民が政策をつくり提言する時代 Action14 政策案をつくってみよう Action15 政策提言を書こう Action16 政策案を実現する方法を考えよう |
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