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市職員による講演・授業の様子

実施日:2006年6月16日(金)
場所:桶川市立加納中学校
授業:3年次選択社会科
記録:原口

○講演概要
  • テーマ:「桶川市のまちづくり」
  • 講演者:桶川市役所 都市計画課 岩崎克浩 様、鈴木信次 様

○市の予算について
  • 市では少子高齢化が進み、民生費(医療・福祉)が増加している。
  • 市全体では約196億円の予算があるが、まちづくりを行う土木費は約24億円となっている。
  • 市では現在5箇所で区画整理を行っており、それに土木費のおおよそ7割が用いられている。
  • 土木費は区画整理以外にも、ガードレールの補修などに使われており、まちづくりに使える予算は限られている。

○高速道路の建設について
  • 首都圏中央連絡道路(圏央道)が平成24年に完成予定となっている。
  • 圏央道には加納にインターチェンジが設置される予定。
  • 圏央道の開通をきっかけに、加納及び全市の活性会につなげたいと考えている。
  • ☆既存工業団地の拡充・大規模店舗の誘致・バランスの取れた住宅圏の形成・憩いの空間の確保、を考えている。
  • 高速道路にあわせた加納周辺の整備は、市にとって優先課題である。

○駅前商店街について
  • 桶川駅周辺には6つの商店街(西口:1、東口:5)がある。
  • 東口の駅前道路は道幅が7mと非常に狭くなっている。そのため、この道路を25mに拡張する計画が昭和47年に決定されている。
  • ただし、駅前広場の整備についての決定がされておらず、現状では有意義な駅前の開発を行えない。
  • (道路拡張)計画の決定から多くの時間が過ぎ、駅前商店街の居住者・利用者ともに高齢化などの変化が起きている。そこで、25mの道路が本当に適切なのか、検討が必要だと考えている。
  • 平成14年に行った市民アンケートからは、商店街の弱さ(店舗・商品の少なさ等)が明らかにされている。複合施設を作るくらいでないと、他市も含めた競争に勝てないのではないだろうか。
  • 中心地の基盤を整えて、人が永く住める、人口を増やすことのできる市にしていきたい。
  • 南小学校の跡地利用や駅前広場の計画作りについて、平成18年の内にどうして行くかを決めたい。

○生徒が出した意見について
  • お宝くんと困ったくんについて、見方が違うと捉え方が変わってくる。
  • ☆駐車場がなくて困る。
    ⇔ ただでさえ道路が狭いのだから、車が増えると危険で困る。
    ☆歴史のある建物がある。
    ⇔ 建物がぼろっちい。
  • 同じ立場に立ちやすい生徒の間ですら意見の相違がある。そこで、市民全体で考えるとより多くの意見の相違が生まれることを知って欲しい。
  • せっかくの取り組みなので、中学生らしい意見を出してください。

○生徒からの意見(困ったくんを提示)
  • スポーツショップがなくて困る。
  • 友達と遊びにいけるところがない。
  • 道が狭く、車の追い抜きが危険だ。
  • 東口には市民プールがなく、困っている。西口までは行くのが大変であるし、利用者も西口に住む人が多く、知らない人ばかりで使いづらい。


○授業概要
  • 「桶川市のまちづくり」をテーマに、市職員の講演を聞く。
  • 桶川市からは、都市計画課の岩崎克浩氏、鈴木信次氏が出席。

○授業の様子

講演にこられた桶川市職員の岩崎氏と鈴木氏です。

スライドの使用や生徒への呼びかけなどを交えながら、とても魅力的な講演をしてくださりました。
 

講演を聞いている生徒の様子です。

まちづくりに関連して、自分たちが暮らす地域の話がでると、生徒の集中力もぐっと増していました。

 

プロジェクターに映し出された資料を真剣に眺めています。

グループワーク主体のいつもの授業に比べると受身になりがちな講演ですが、集中力を切らさずに話を聞いている生徒が数多く見られました。



○講演を受けての生徒の意見、等
  • まちづくりにあたって、開発していいエリアとそうでないところの区別があるのに驚いた。
  • 市の人口の増減が多いのがなぜなのか、疑問に思った。
  • 住んでいる人と私たちの違いを大切にしていきたい。
  • 市が様々な計画を作り、まちづくりに取り組んでいることを知ることができた。
○講演を聞いて感じたこと(私見)
  • 駅前の開発計画について、昭和47年に道路拡張を行う決定がなされている、と聞いて生徒は納得しているようだった。しかし、その計画は長い間実行されていないわけであり、その点についての指摘が必要だと感じられた。
  • 講演の中では、市の予算、人口の増減等が数字で示されていたが、実数を使っていたため、生徒にとってわかりにくかったかもしれない。
  • 市の職員からは、「中学生らしい意見が欲しい。人から聞いた意見よりも、そういった実感を大切にして欲しい」とのアドバイスを受けていた。
    このことが、ヒアリング結果の軽視につながらないように気をつけなければいけない、と感じた。
  • 生徒は高速道路の話に強い関心を示していた。
  • 生徒が市の予算に限りがあることを知っている以上、駅前商店街に取り組む意義・必要性を伝えた方がよいのではないか、と感じた。
  • 高速道路の建設に沿ったまちづくりの推進の話の中で、生徒からいくつかのアイデアが出された。その話を聞きながら、全ての施設を桶川市内で備える必要があるのかどうか、といった視点も今後機会があれば生徒に教えてもよいように感じられた。

( 以 上 )